ウェンズデー

ウェンズデー

Wednesday

2022·ドラマ·シーズン1·8.1

あらすじ

アダムス・ファミリーの長女ウェンズデーが、母の母校であるネヴァーモア学園に転入。学園で起きる連続殺人事件の謎を追いながら、自身の超能力と向き合っていく。

レビュー

『ウェンズデー』は、チャールズ・アダムスのコミック「アダムス・ファミリー」を原作に、その次女ウェンズデー・アダムスを主人公として描いたティーン向けオカルトミステリーだ。ティム・バートンがシーズン1の演出を担当し、彼の映像美学──ゴシックな建築、対称構図、灰色を基調とした色彩──がネヴァーモア・アカデミーの全景に刻印されている。しかしこのシリーズが単なるバートン映画の延長ではないのは、ジェンナ・オルテガが演じるウェンズデーに固有のトーンが宿っているからだ。 ジェンナ・オルテガのウェンズデーは微動だにしない無表情と、冷徹な観察眼、言語化の精度の高さで視聴者を引きつける。感情を「欠落」として描くのではなく、感情を持ちながら表出させない選択として描く演出が、彼女を単調なキャラクターに終わらせない。彼女が「踊る」シーン——Lady Gagaの「Bloody Mary」に合わせた独特のダンス——は、それ自体がキャラクターの論理から生まれた動きとして説得力を持っており、オルテガが振付を自ら参考動画を漁りながら考案したという背景も興味深い。 物語はネヴァーモア・アカデミーで相次ぐ生徒の失踪事件と、ウェンズデーが持つ「予知的タッチ」という超能力の覚醒を軸に展開する。謎解きの構造はアガサ・クリスティ風だが、解答が「犯人はこいつだ」より「この世界の秩序そのものの矛盾」を暴くことに向けられており、シリーズとしての射程を長く保つ設計がある。ゴミ収集場でのシーン、地下水路の追跡、廃工場での対峙といった場面は、ティーン向けとは思えない緊迫感を持つ。 キャスティングではクリスティナ・リッチ(1990年代の映画版でウェンズデーを演じた)が別キャラクターとして出演しており、新旧の継承関係を匂わせる遊びが仕込まれている。シーズン1は謎解きの構造として若干急ぎすぎる面があるが、キャラクターの磁力がそれを補う。続編でウェンズデーが何を「感じ」始めるのかが最大の関心事だ。 ネヴァーモア・アカデミーという学校は「アウトキャスト(特殊能力を持つ者)のための学校」として設定されており、狼人間・幻視者・ゴルゴン等が同じ校舎に学ぶ。このダイバーシティは現代的な包括性のメタファーとして機能しながら、「能力が異なる者同士の共存」という問題を寓意的に提示する。ウェンズデーはその中でも「予知能力と知性」という二重の能力を持ちながら、集団に属することを本能的に拒否する。この拒否こそが彼女の魅力の核心だ。 エニッド・シンクレア(エマ・マイヤーズ)との友情は、表面上は「明るい狼人間と暗い人間」という対極だが、両者とも「自分の能力を完全には受け入れられていない」という共通の傷を持つ。エニッドが変身を恐れ、ウェンズデーが感情の表出を恐れる——この二つの恐れが、友情を通じて少しずつ解放されていく構造が、シリーズの感情的な成長のアークを形成している。 タイタス・ウェリヴァーやグウェンドリン・クリスティなどの実力派俳優が謎の核心に絡む構成も厚みを加えている。バートンの映像美学はネヴァーモア・アカデミーの廊下・図書館・地下通路の細部にまで及んでおり、生徒が何十年も前から訪れているような歴史的重みを建築に宿らせることに成功している。シリーズが続くにつれて、ウェンズデーが「感情を持つことの意味」をどう理解するかが、最大の成長の焦点となるだろう。 ゴシックなビジュアルとティーンドラマの文法が交差するこのシリーズは、両ジャンルのファンにとって入り口が広い。ジェンナ・オルテガのウェンズデーは今後何年にもわたって「感情を持たない主人公」のキャラクター像の基準として語られるだろう。「アダムス・ファミリー」の予備知識はなくても完全に楽しめる独立したシリーズとして設計されている点も重要だ。 【外部評価】IMDb: 8.0/10

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