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エクソシスト

1973

エクソシスト

The Exorcist

1973·映画·122·8.1

あらすじ

12歳の少女リーガンが突然奇行を繰り返し始め、医師たちは原因を突き止められない。母親は娘に悪魔が憑依したと確信し、著名な神父に悪魔払いを依頼する。神父は信仰と悪魔の間で激しい葛藤を経験しながら、命がけの戦いに挑む。

レビュー

映画史上最も恐ろしいホラー作品のひとつとして、半世紀を経た今も語り継がれる傑作だ。ウィリアム・フリードキン監督がウィリアム・ピーター・ブラッティの同名小説を映像化した本作は、「悪魔憑き」という題材を徹底的なリアリズムで描くことで、単なる怪奇映画を超えた哲学的な恐怖体験を生み出した。公開当時(1973年)、映画館での失神者や嘔吐者が続出したという記録は伝説となり、ホラー映画の歴史に「エクソシスト以前・以後」という分水嶺を引いた。アカデミー賞10部門にノミネートされ、脚本賞と音響賞を受賞。ホラー映画として史上初めて作品賞にノミネートされた事実が、本作の例外性を物語る。 この映画が際立っているのは、「信仰とは何か」という根源的な問いを恐怖の形で提示している点だ。精神科医でもある神父カラス(ジェイソン・ミラー)は、愛する母を救えなかった罪悪感から神への信仰を失いかけている。そこに12歳の少女リーガン(リンダ・ブレア)の悪魔憑きという究極の試練が課される。恐怖映画でありながら、信仰の喪失と再生、人間の尊厳と悪の本質を探求した深い精神的ドラマでもある。マックス・フォン・シドー演じる老エクソシスト、メリン神父との問答に、この映画の哲学的核心が凝縮されている。悪魔が選んで憑依したのが無辜の子供だという事実そのものが、神の沈黙への問いとして機能している。 特殊効果の革命的な側面も見逃せない。特殊メイクアーティストのディック・スミスが作り上げたリーガンの変貌メイクは、当時の技術の限界を押し広げるものだった。マーチャリン・ラモーによるリーガンの低音の声のアフレコ、実際の回転台を使った首が360度回転するシーン、零下20度の極寒スタジオで撮影されたリーガンの部屋の場面——これらが組み合わさって生み出す「実体的な恐怖」は、CGI全盛の現代においても色褪せない。役者たちが吐く白い息が自然にスクリーンに映り込む「作られていないリアル」の積み重ねが、フィクションの枠を突き破る没入感を生む。全部で5台のカメラが破損したと言われる撮影現場は、呪われているという噂が絶えなかったという。 音響設計も革命的だった。本作では低周波音(インフラサウンド)が意図的に使用されており、聴覚的には聞こえないが肉体に不快感を与えるという科学的なアプローチが試みられている。観客が感じる「なぜか気持ち悪い」という感覚の一部は、この音響設計によるものだと言われている。マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」が象徴的なテーマ音楽として使用されたことで、この曲はそれ以降「不気味な音楽」の代名詞となった。 エクソシストは公開当初、映画館で実際に失神・嘔吐者が出たという伝説を持つ。その「生理的反応を引き起こす恐怖」の仕組みを分解すると、フリードキン監督が意図した複数の感覚的操作が見えてくる。 レーガンの「憑依」の映像は身体的な改変(首の回転・皮膚の変色・声の変容)が当時の観客に前例のない衝撃を与えた。しかし本質的な恐怖は「無垢な子供に何かが侵入する」という設定が持つ根源的な不安だ。「子どもを守れない親」というホラーの核心的なテーマが、ここに最初に最も強く表現された。 カール・サーガンが指摘したように、映画の低周波音(18Hz付近)は聴覚では聞こえないが肉体に不快感を与える。観客が感じる「なぜか気持ち悪い」という感覚の一部は音響設計によるものだとされる。1973年の技術でこの音響的アプローチを試みたことは、映画製作の科学的思考の先見性を示している。半世紀後の今見ても、ホラー映画の根本を問い直す作品として古びていない。 【外部評価】IMDb: 8.1/10 | Rotten Tomatoes: 78%

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恐怖の古典宗教ホラートラウマ必至信仰と悪

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